事業再生法律お悩み相談 実務に効く! ツールとしての法律(事業再生及びそれに関連する法律のトリセツ)

事業再生に関連する法律お悩み相談、裁判例などを使って具体的かつわかりやすくご説明します(法律に詳しい方には易しすぎるかもしれません)。

更生債権の範囲(最判H25.11.13 東京高判H25.5.17)

少し専門的な内容になりますが、会社更生手続きの更生債権の範囲に含まれるか否かが争われた裁判を2件を紹介します。 まず、最判H25.11.13です。 これは、Xが更生会社相手に更生手続開始決定前に訴訟提起をしていた更生債権に関する訴訟が、更生手続開始決定…

無償行為否認に、債務超過要件は必要か?(最判H29.11.16)

今回は少し専門的な話です。 倒産法における、否認行為の累計として、無償行為否認があります。 簡単に言えば、倒産間際に行われた贈与などを、法的手続きに入った後に効力を否定するものです。ところで、贈与する際に債務超過であったとか、贈与することに…

私的整理中の権利行使について(東京地裁H30.2.13)

私的整理は、対象となる債権者全員の合意がなければ成立しません。 そこが私的整理の難しいところです。 ところで、私的整理中に、個別に権利行使をすることは許されるでしょうか。 これは、基本的には許されると考えられています。但し、公序良俗に反しない…

債権放棄が税務上認められる場合とは(最判H16.12.24)

私的整理、法的処理を問わず、債権者側の債権放棄が税務上の損金に算入できるかは、大変重要な論点です。できない場合は、できるスキームを債権者側から要求されることもありますし、債務者側としては、当然、そのようや要求が出ることを前提に予めスキーム…

いわゆる私的整理手続きにおける、債務免除等の要請行為は、「支払停止」にあたるか

今回は、やや専門的な内容についてです。 民事再生や会社更生などの法的整理に対立する概念として、私的整理という概念があります。法的整理が裁判所の関与(監督)もと、債権カットをするに対し、私的整理は、裁判所が関与しない状況で、金融債権のみの債権…

民事再生した企業の債務の連帯保証の時効は何年???(東京地判H26.7.28 )

多くの中小企業において、代表者が、会社債務の連帯保証をしています。最近、そのような傾向に歯止めをかける取り組みもされていますが、改まっていないのが現状です。 そのような企業が破産や民事再生をした場合、保証債務はどうなるのでしょうか? 例えば…

せっかく担保を設定したのに、倒産時に主張できない③!?

自動車に対する担保権に関連して、もう一つよく問題になるのが、前々回で申し上げた対抗要件です。 前々回では「登記」を例に出しましたが、「登記」は登記簿謄本を見れば有るか無いかわかります。また、前回ご説明をした「登録」も、車検証を見れば記載があ…

せっかく担保を設定したのに、倒産時に主張できない②!?

前回の続きです。 では、どうしたらいいのか。 端的には、信販会社が弁済をした際に、登録名義を信販会社にするということが考えられます。しかし、登録免許税がかかりますし、手間もかかります。 そこで、前回ご紹介した判例が出た後に、多くの信販会社は、…

せっかく担保を設定したのに、倒産時に主張できない①!?

せっかく担保を設定したのに、取引先が倒産した際に担保権を主張できないということがあります。倒産した時こそ、担保権の効力が認められるべきであるのですが、何故このようなことが起きてしまうのでしょうか。 それは、対抗要件を備えていない時におこりま…

私的整理において、何故商取引債権は保護される?

私的整理においても、債権はカットされます。 しかしながら、私的整理においてカットされる債権は一般的に金融債権(≒銀行の債権)に限られています。そもそも私的整理が行われていること自体、商取引債権者は知らされずに行われることも多く、普通の取引が…

はじめまして

2019年1月2日 ブログをはじめます! ビジネス関係(企業法務やM&A)、事業再生、事業承継や相続の判例や法改正などをわかりやすく提供していく予定です。 良かったら、時々見に来てください!